事業概要


文部科学省令和2年度「先端研究基盤共用促進事業(コアファシリティ構築支援プログラム)」に北海道大学の申請が採択されました。事業期間は令和2年度〜令和6年度の5年間です。

本事業では、研究基盤に関するデータ収集と成果分析を可能とする研究基盤IRを整備し、エビデンスを踏まえた研究基盤投資の立案と判断、機器共用と研究支援人材育成の各プログラムの実行と効果測定といった各プロセスを循環させる研究基盤マネジメントサイクルを構築します。これによって5年後には、自主財源および利用料収入を、種々の活動に計画的かつ効果的に投資することを可能とし、本学の成果創出機能を安定的に支える研究基盤マネジメント体制を実現させることを目指します。

本学は法人化の後、現在のグローバルファシリティセンターを中心に、オープンファシリティの充実、受託分析機能の強化など、着実に機器共用の施策を進めてまいりました。しかし約15年を経て、これらの取り組みが全学的規模に成長した結果、その持続的な運営に果たす装置管理者、部局、大学経営陣それぞれの役割を見直して、新たな体制を整備する必要が生じております。そのためには、あるプロジェクトへの対応といった一過性のものではなく、恒常的に全学の研究基盤に係るデータ収集と分析を行うIR機能の新規構築が必要不可欠な状況となっています。

また本学では、同じく法人化の後、技術職員の全学的な組織化と人材育成体制を段階的に整備してきました。現在、全技術職員が技術支援本部を兼務する形で、部局を超えた活動を進めています。しかし、より実質的な一元化へと発展させるためには、本組織のマネジメント機能、すなわち技術職員自らが全学的な視座で研究支援体制の整備やスキル向上、キャリアパス開拓の企画運営を行い、将来を構想する機能を強化すること、またこれらを効果的かつ円滑に進めるための情報共有発信機能の強化、さらにこれらの活動のための財政的基盤を確立することが課題となっています。

このように、本学では機器共用を主導するグローバルファシリティセンターと、技術職員の育成を主導する技術支援本部がすでに存在しており、それぞれが新たな課題に直面しているという状況にあります。したがって本学においては、これら二つの組織の機能を損なうことなく、うまく連動させ、相乗効果を生み出す組織としてコアファシリティを位置づける必要があります。

そこで本事業では、理事・副学長をトップに両組織が協働する技術支援・設備共用コアステーションを構成する計画といたしました。本事業の運営にはまた、URAステーションが特にイノベーション関連企画で連携し、人事課、資産運用管理課、研究支援課といった事務組織が事務的なバックアップを行います。この体制の下で、各プログラムを着実に推進してまいります。特に、本事業のエンジンとも言える学内公募型共用促進事業を全学合意の上に確実に定着させることで、種々プログラムの原資を生み出し、永続化を図ります。また、毎年度末に開催するシンポジウムと点検評価はサイクルの重要なピースであり、これらを経て随時、活動の改善を図ります。このような活動を通じて、また新たな課題が生まれるはずですが、それを踏まえた将来構想を、全学および大学経営陣と常に共有する運営体制を維持することが、目標達成の上でも、またさらにその先の発展へと繋げていく上でも重要な鍵になると考えています。

参考

令和2年度「先端研究基盤共用促進事業(コアファシリティ構築支援プログラム)」の採択機関の決定について(文部科学省ウェブサイト)